月見草の花粉顕微鏡写真

近所の荒地に月見草の黄色い花が咲いていたので花粉を見てみました。
以前見た琉球月見草の花粉の形が面白かったので、比較して見たかったのです。
また、今回は、水を注入しないで、カバーグラスをそぉ~っと乗せて、白色のLEDライトの光軸を少しずらして、立体がわかり易いように撮ってみました。
以前に撮影した(琉球月見草)様に、水で封印してカバーグラスを強く押し付けたほうが、内部の構造まではっきり写りますね。LEDライトを使ったため、コンデンサを外したせいかもしれません。
マクロレンズで撮影した琉球月見草

メマツヨイグサ(雌待宵草):ツキミソウ(月見草)。アカバナ科マツヨイグサ属。
夕方~朝にかけて咲く黄色の花。道端や荒地でよく見かけます。
リュウキュウツキミソウ(琉球月見草):ヒルザキツキミソウ(昼咲月見草)。アカバナ科マツヨイグサ属。
白が主体の薄いピンクの花で、日中いっぱい咲いています。

以下、同じ撮り方で、メマツヨイグサ、リュウキュウツキミソウの順で掲載します。
撮影機材は、千代田顕微鏡 MT-B型(接眼レンズ5倍) + ビクセンの顕微鏡アダプタ + Nikon CoolPix990 + 市販のLEDフレキシブルライト です。
↓メマツヨイグサ:対物20倍。光軸をギリギリまでずらして暗視野風に。

↓琉球月見草:対物20倍。光軸をギリギリまでずらして暗視野風に。

光量の関係から暗視野風に撮れるのは対物20倍までです。
花の形は違っていても、同じ属だけあって、花粉の形は似ていますね。
↓メマツヨイグサ:対物20倍。普通の明視野風で。

↓琉球月見草:対物20倍。普通の明視野風で。

↓メマツヨイグサ:対物40倍。

↓琉球月見草:対物40倍。

↓メマツヨイグサ:対物60倍。

↓琉球月見草:対物60倍。

以上は、ノートリミングで縮小しています。
↓メマツヨイグサ:対物40倍。上の写真をトリミングして拡大。

↓琉球月見草:対物40倍。上の写真をトリミングして拡大。

立体的なものは、対物60倍よりもはっきり写ります。

スギ花粉・・・車に付着

久しぶりに洗車しました。
毎年この時期になると、スギ花粉で、車に黄色い粉が付着します。今年は、特に多い!!。
普段の埃や泥なら、固く絞った布で拭けば落ちるのに、固まったスギ花粉は、落ちない{%泣くwebry%}
●フロントガラス上の花粉
風の強い日があったので、多少、砂も混じってそうですが、ほとんど花粉。

●ボンネット上の花粉

●顕微鏡写真(千代田顕微鏡MT-B + ニコン CoolPix990)
↓近所の杉から花粉を採取してみました。顕微鏡で見ると綺麗なんですが・・・
対物×10 接眼×5

対物×20 接眼×5

↓ボンネットに付着していた粉を顕微鏡で撮影しました。
綿棒でこすり取りましたが、強くこすったので、多くが、つぶれたり変形したりしたと思いますが、原型をとどめているのも確認できます。
対物×10 接眼×5

対物×20 接眼×5

千代田顕微鏡 MT-B型—サンプル画像 他

千代田顕微鏡 MT-B型で撮影した画像を紹介します。顕微鏡の紹介は過去のブログを参照してください。
市販の標本(カボチャの花粉)を対物レンズ1倍~60倍に変えて撮影しています。10倍の接眼レンズと組み合わせて10倍~600倍になります。
撮影には5倍の接眼レンズを使ってデジカメ(Nikon CoolPix990)を使用していますが、感覚的にはちょうど10倍の接眼レンズを使って目で見た視野(倍率)に近くなります。
● 犬の健康状態を調べる時(検便)
1.5、10倍程度の対物レンズ(50~100倍程度)
・・・・消化状態や異物が混じっていないかの確認。
2.40倍程度の対物レンズ(400倍程度)
・・・・細菌(種類や量)の様子やコクシジウム(オーシスト)の有無の確認。

体に悪い細菌は、お腹を壊した時や体力が低下している時に増殖するので見つけやすくなるようです。

● スメア検査の時
1.10倍程度の対物レンズ(100倍程度)
・・・・見やすくするために染色(簡易ギムザ法等)が必要です。

私の場合、染色液は使わずに位相差ユニットで核を見やすくして観察しています。
普通は、オス犬の反応、出血の時期などから交配の時期を判断するのですが、ポメラニアンなどの小型犬やパグなど交配時期の判別が難しい場合には、スメア検査をします。
はっきり核の見える上皮細胞の割合、核の大きさ、上皮細胞の形、白血球の量などを判断材料にしています。
1、2日置きに観察して変化を見ることも必要です。

1.サンプルに使用した標本
・・・赤く染色されています

2.対物1倍
・・・カメラでの撮影でも眼視(接眼レンズは10倍の広角タイプ)でも、ほぼカバーグラス全体を一望できます。

3.対物2倍
・・・ピンボケしていました

4.対物4倍
・・・光学顕微鏡では、対物レンズ4倍から40倍くらいまでが扱いやすく実用的な倍率です。

5.対物10倍
・・・花粉の形や核がはっきりしてきます。

6.対物20倍

7.対物40倍

8.対物60倍

9.対物60倍(中央部分のアップ)
・・・オリジナル画像の一部分を等倍で切り取ったものです。

10.おまけ1
・・・スギ花粉?この時期、車のフロントガラスに付着する黄色い粉
10倍対物レンズで撮影(オリジナル画像をトリミングしています)

11.おまけ2
・・・ユキワリソウの花粉?
10倍対物レンズ、20倍対物レンズ(いずれもオリジナル画像をトリミングしています)

・・・花の写真

千代田顕微鏡 MT-B型のコンデンサ、フヨウとクジャクソウの花粉

MT-B型顕微鏡には、特殊なコンデンサが付いています。使い方に自信のない愛用者の方がいらっしゃいましたら参考にしてください。
私自身、今まで適当に使っていましたが、「千代田顕微鏡の歴史」のSさんが正しい使い方と顕微鏡の仕様を教えてくださり、それをまとめたものです。
MT-B型顕微鏡おもな仕様

超広視野三眼鏡筒:ジーデントップ型
視野数26.5、倍率1倍、直立筒0.66倍
非金属多層膜方式ビームスプリッタープリズム 50:50内蔵
接眼レンズ:KW10×W
対物レンズ:plan 1、2、4、10、20、40、60×
超広視野コンデンサ(SWAC Ⅳ):NA0.90、4群6枚
下玉はねのけ方式で対物 1~100倍まで使用可能
超広視野コレクター:NA0.61、3群5枚、焦点距離 17.7mm
色補正アポクロマート、フォーカシングつまみつき
ランプ:6V5A 扁平巻、超広視野特殊タイプ
レボルバー:7孔レボルバー高精度ベアリング組込

コンデンサ
顕微鏡からコンデンサを取り外した様子です。
ステージに差し込む主コンデンサと可動式の補助コンデンサ(SW.AC.0.9の刻印のあるレンズ部分)からなります。

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コンデンサの使い方
対物レンズの倍率に応じて次の組み合わせで使用します。
1、2×(対物レンズ)・・・コンデンサ 主+コレクター 主
(補助コンデンサ、補助コレクターを使わない)

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4×(対物レンズ)・・・コンデンサ 主+コレクター 主+補助
(補助コンデンサを使わない)

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10×以上(対物レンズ)・・・コンデンサ 主+補助+コレクター 主+補助

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ランプ側調整ノブ(ランプハウス手前にある白い棒)
・・・対物レンズ1~4倍までは上へ。10×以上では、下げた状態で観察する。(ノブの上下で光源の焦点が変わる。)

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1~4×(対物レンズ)・・・調整ノブを上へ

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10~×(対物レンズ)・・・調整ノブを下へ

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市販LEDライトの使用例
写真のようなLEDライトを使用すると自然な色の写真が撮りやすいです。
マグネット付きのフレキシブルライトを鉄のブックエンドに付けて使用しています。
20×(対物)くらいまでなら、LEDが一つ付いているタイプで十分です。高倍率では、LEDが3つのタイプが使いやすいです。
特にホワイトバランス調整のできないデジカメで撮影する場合には有効です。

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実際に撮影した花粉です。暗視野は、ライトの向きをずらしただけで、暗視野コンデンサは使っていません。また、青色のフィルターも未使用です。
フヨウの花粉
対物10×

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対物10×(暗視野)

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対物20×

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対物20×(暗視野)

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対物20×中心部のアップ

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対物20×中心部のアップ(暗視野)

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クジャクソウの花粉
対物10×

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対物10×(暗視野)

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対物20×

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対物40×

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対物40×中心部のアップ

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対物40×(内蔵光源使用、ホワイトバランス設定なし)

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対物40×(内蔵光源使用、ホワイトバランス設定なしソフトで補正)
あとから画像補正ソフトで補正しましたが強い補正が必要な場合は難しいです。

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MT-B型顕微鏡の場合、付属の青フィルター2枚、光源電圧3Vで、デイライトタイプフィルムの色温度に合わせた設計になっているそうです。
また、CoolPix990では、ホワイトバランスを調整しておけば(プレパラート上の何も無い部分を白と認識させておく)、より自然な色にすることができます。このページ以外の特に断りの無い花粉の写真は、青色フィルターと内蔵のランプを使い、(アバウトですが)デジカメのホワイトバランスを調整しておき、あとで少しだけソフトで色を補正しています。

千代田顕微鏡 MT-B型

花粉の写真に使用している顕微鏡を紹介します。
普段は主に犬の健康管理(スメア検査、検便)のために使用しています。
私自身は顕微鏡について、あまり詳しくないので使い方や表記に間違えがあるかもしれません。(間違えがあったらゴメンなさい。)
この顕微鏡は、2年ほど前にオークションで入手した物です。
対物1~60倍(10倍の接眼レンズとの組み合わせで10~600倍)で7連レボルバであるところが使いやすそうで購入しました。
1974年~発売(千代田顕微鏡の歴史より)の古い顕微鏡ですが、状態も良く大変気に入っています。
●全体の様子
かなり重量のあるしっかりした作りですが、照明が内蔵されていてコンパクトに収まっています。(コンパクトと言っても往年の名機NikonS型顕微鏡よりひと回り大きいサイズです。)

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●対物レンズ(レボルバ)
×1、×2、×4、×10、×20、×40、×60の7つのPLAN対物レンズが付いています。
×1は、超広視野の10倍接眼レンズとの組み合わせで、18mm角カバーグラスのほぼ全体が視野に収まります。最高倍率は油浸×100が一般的ですが、油浸でない×60は使いやすく私好みです。

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●ランプハウス
照明ランプは30Wのハロゲンランプが内蔵されています。顕微鏡本体の中に収まっているためコンパクトです。形が特殊なため互換のある替球が手に入らないのが難です。

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●接眼レンズ
接眼部は、三眼です。眼視用(双眼部分)は、超広視野対応で経の太いタイプです。超広視野の双眼タイプは、長時間の観察でも疲れにくく快適です。
写真用の1本は、鏡筒の径が24.5mmです。ビクセンの顕微鏡アダプタが使えるので便利です。

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●デジカメの装着
ビクセンの顕微鏡アダプタを使用してデジカメ(Nikon CoolPix990)を装着した様子です。
顕微鏡写真用の接眼レンズは5倍タイプですが、CoolPix990を光学ズームの望遠域にした時に、丸くケラレル部分がちょうど無くなります。

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●コンデンサ
コンデンサの開口数は0.9。広域対応のための少し変わった形のコンデンサだと思います。
大きなレンズが使われていていかにも高そうです。
大小2つのコンデンサを組み合わせて使うことで、低倍率~高倍率まで安定した光を供給してくれます。

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●コンデンサ調整用のハンドル
ひょんな縁で知り合った方からの頂き物です。
コンデンサの装着ネジ及びコンデンサの芯だし調整ネジが小さくステージとの距離が近いため、コンデンサの取り外しや芯だし時にネジを回すと指が痛くなる事が不便でした。
そんな時、偶然このハンドルを譲っていただきまして、操作が非常に楽になりました。
譲っていただいた方は、このMT-B型の顕微鏡開発に携わっていた方で千代田顕微鏡に関するホームページも作られています。  【千代田顕微鏡の歴史】のページ(リンク切れ)

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●収納箱
桐製の収納箱です。自作です。

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●甘草(カンゾウ)の花粉
昔、内蔵ランプの変わりにLEDライト(千円程度のボタン電池式、フレキシブルタイプ)を使用して撮影した物です。
顕微鏡のコンデンサを外してコンデンサのあたりからプレパラートに向けています。
コンデンサを使わない分、解像度で劣るかもしれませんが、光源が白色に近いのでデジカメ撮影には有効だと思います。写真は、原画を縮小していますが色補正はしていません。
対物20倍、接眼5倍、CoolPix990で撮影。2枚目は、照明を少しずらしているため、暗視野照明風に写っています。3枚目は、花です。(2005年7月頃に撮影したものです。)

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